
新宿「カリガリ 間借りカレー」アキバ盛りカレー2

スッキリレモネード
銀座の老舗クラブの裏メニューとして人気だったココナッツカレーを広める為に渋谷の小さなお店からスタートしたカリガリ。
その後田町にも店を出し(現在は閉店)、秋葉原に出したお店ではアイドルや声優とのコラボも行い、渋谷店閉店後は丸の内にデリメインのカリデリを展開。
同時進行でレトルトカレーにも着手。
インド人完全無視カレーはコンセプトの面白さもあいまって話題となり、堀江貴文さんやイジリー岡田さんとのコラボレトルトカレー販売など、人選にも独自のセンスを感じるカリガリ。
何しろスローガンが「文化、建設中」なのです。
ただのカレー屋ではなく、面白いことに積極的に取り組んでいくその姿勢はファンとしても見ていて楽しく、ワクワクするものです。
そんなカリガリが間借りカレーを始めました。
間借りカレーというとここのところカレー業界でも注目されている業態。
バーなど、夜営業が基本で昼間は空いているお店を間借りして、カレーを出すというスタイルです。
ここ数年で急増している感のあるカレーの作り手達にとっては、開業リスクが少ないこともあり、実店舗開店の準備として間借りカレーからスタートするお店も増えてきています。
しかしカリガリは既に秋葉原と丸の内に実店舗を持つ人気店。
それが何故今間借りなのか。
これにはカリガリ二木社長の目論む「働き方改革」が関わってきます。
ブラックと言われることも少なくない飲食業界、確かに飲食店でアルバイトするとなると他の業界よりも時給が安いことは多いです。
しかし経営者となれば、やり方次第ではアルバイトするよりも大きな収入を得られる可能性も出てきます。
話は少し変わりますが、ミュージシャンやアイドルなどにとって、良いアルバイトを探すのは難しいです。
派手な髪色、髪型は禁止なお店も多く、突発的に本業が入った場合に副業であるはずのアルバイトを休むことができないなんてこともよく聞きます。
二木さんが目指すのはそんなアーティスト達の為の働き方改革。
ミュージシャンやアイドル、あるいは役者、モデルなど、人の前に立つことを本業としている人にはファンもいます。
アーティストがお店をやれば、ファンは来てくれるわけで、アーティストではない人がお店をやるよりアドバンテージがあるわけです。
それに適しているのが間借りカレーというスタイルではないかと、カリガリのカレーを使って働き方に悩んでいるアーティストの活路を開きたいと、二木さんはおっしゃいます。
二木さんご自身も元バンドマン。だからこその想いがあるのでしょう。
その手始めにまずはご自身が間借りカレーをスタートし、ノウハウがわかったところで働き方に悩むアーティスト達にもカリガリの間借りカレーをやってもらおうという壮大な計画です。
間借りカレーは問題点も多々あります。
資格の有無など法律的な部分での問題がグレーなまま営業されているお店も無いとは言えません。
しかし長年実店舗営業を続け、レトルト販売やイベントも行っているカリガリなら安心です。
経験も知識も資格もありますからね。
そんなカリガリの間借りカレーのメインに持ってきたのが、この為に考案されたアキバ盛りカレー2。
既に秋葉原店では人気メニューとなっているカレーです。
魯肉あいがけ、副菜、カスリメティなど、今のカレーのトレンドを思いっきりぶっ込んだスタイルでありながら、ただのインスパイアではなく、オリジナルの美味しさになっているのはやはりメインとなるカリガリカレーの個性と力。
ココナッツカレーでありながら他にない個性と、何と合わせても美味しくなる包容力があるんです。
改めて凄いカレーだと気付かされました。
お店は基本的にバーであり、内装もそのままですがカリガリのカレーは元々銀座のクラブで提供されていたものですから雰囲気的にも違和感はありません。
それなりの広さがあるお店ですが一人で切り盛りする為にセルフサービス形式。
このあたりも経験あってこその万全の準備と言えます。
このカレーなら働き方改革の実現も夢ではありません。
期待しつつ、応援していきたいと思います。
カレーは既に文化ですからね。
評価:★★★★