四国カレー日記

高知 立田「錆と煤」スペシャルプレート

マサラチャイ
とんでもないお店と出会いました。
高知駅から電車乗り継いでローカル線の立田という駅を降りてすぐ。
一見カレーのお店には見えません。
言い方悪いですがボロ家です。
しかしそこにカラフルな旗が飾られていて、ネパールを思わせるような雰囲気でギリギリこちらがお店なのだということがわかります。
ランチは予約制。
予約をしてうかがいました。
店内は古民家といった雰囲気で、外から比べると綺麗で落ち着いていて良い雰囲気。
メニューは日替わり。
この日のカレーはたまごカレー、チキンカレー、タイのほぐし身フィッシュカレーの3種。
全部乗せ的なスペシャルプレートをいただきました。
まずこの見目麗しきルックスで「おお!」と思わず声をあげてしまいました。
何ともカラフル。
そしてこの品数ですよ。
カレーは上記の3種に加え、野菜カレー、ダル、ラッサム、そしてライタもつきます。
ご飯はインディカ米の白いのと黄色いのの二層構造。
副菜も様々なものが惜しげもなく並び、とにもかくにも豪華絢爛! 絢爛豪華!
女性らしい美的センスだなぁと思って食べてみたら驚くべきパンチ力!
男性的な力強さのあるスパイス使いなんですよ。
セミドライでチキンの旨味が強めスパイスで引き立てられたチキン。
輪郭がしっかりしたグレイビーのフィッシュ。
そして驚いたのがたまご。
普通にアンダーマサラかなと思っていたのですが、食べてみると半熟状のゆで卵に隠されたオムレツが細かくなったもの。これがグレイビーになっているんです。
ダブル玉子。言うならばドアンダ。
素晴らしい!
野菜カレーもしっかりとした味の決め方で、ラッサムも遠慮ない酸味の攻めラッサム。
ダルとライタは優しくて。
これだけ強めのカレーが並ぶと、ともすると濃い味で飽きがきてしまいかねないのですが、ライスが軽やかであり、副菜も華やかかつ上品なのでそれが味の引き算となり、トータルすると抜群に良い塩梅という素晴らしさ。
これは凄いなぁ。
夢中になって食べ終え、その後でいただいたマサラチャイ。これがまた凄まじかった!
マサラチャイとはスパイスチャイなわけですが、ここまでスパイスが効いたマサラチャイは初めてかもしれないというくらい。
クローブやカルダモンなど、チャイによく使われるスパイスはもちろんなのですが、ブラックペッパーがビシバシきいていて、ピりっとくる感じがたまりません。
インド式に甘目にしたチャイだからこそこれが合うバランス感。
作っている方は優しそうなふわっとした雰囲気の女性なんですが、このカレーはとにかく攻め攻めのキレキレ。
どうしてこんなカレーが作れるのだろうとお話をうかがってみたら、京都の超名店タルカで調理補助をしていた経験があるそうで。
それで納得!
凄いなぁ。
とにかく凄いなぁ。
やられました。
「今日は特にいつもより強めのカレーが多かったんですが、いかがでした?」と。
完全にノックアウトです。
全国で様々なカレーを食べていますが、ここまで強いカレー、なかなかありません。
強いだけでなく美しいんですからとんでもないです。
これはまた食べに行かねばならないお店です。
これを食べる為だけに高知まで行く価値がありました。
いやー凄い!
ああ凄い!
評価:★★★★☆