カレー日記

豪徳寺「オールドネパール」ダルバート(炭焼きポークカレー)

スイカのサデコ

カジャセット
大阪の名店ダルバート食堂の姉妹店が豪徳寺にできたと聞いて行ってきました。
ダルバート食堂と言えば個人的に思い出すのはネパールはカトマンドゥにカレーを食べに行った時、タメルの人気店に入ると日本人の店員さんがいたんです。その方がダルバート食堂からこちらのお店に修業に来ていたこと。
ダルバート食堂の名前は知っていましたが、この件でどれだけ本気でネパール料理を作っているかがわかり、大阪に行った際にダルバート食堂に食べに行ってみたら最高に美味しかったんです。
そんなダルバート食堂が東京に。
大阪だと本格的なネパール料理はまだまだ少ないのですが、東京にはリトルカトマンドゥと呼ばれる大久保エリアがあります。
しかし、大久保エリアで食べられる本格的ネパール料理とも、確実に違う打ち出し方をしており、それが最高の形で見事に成立しているお店でした。
誤解を恐れずにごくごくわかりやすく言うなら、モダンネパリキュイジーヌ。
インド料理はフレンチなどと融合してモダンインディアンという一つの新しい形を生み、定着し、さらに進化させているのですが、それのネパール版とでも言いましょうか。
ダルバートの他に前菜的カジャセットがあるということでそれを頼んでみると、最初に出てきたのはスイカのサデコ。
甘味と塩味のバランスが良く実に爽やかな前菜です。シルティムルという珍しいネパール山椒を使っているのも個性的。
続いて出てきたワンプレーとのカジャセットで驚いたのがチョエラ。
水牛を使っているんです。
つまりバフです。
ネパールではバフを使った料理はポピュラーで、チョエラだったりスクティだったりと色々と食べる機会があるのですが、どこで食べても硬いです。
しかしそれはネパール人が硬い肉をしっかり噛みながら食べるのが好きだから。
実際噛んでいくごとに味が深まってくるのが楽しくもあるのですが、ここのバフはめちゃめちゃ柔らかい!
がっつりと葉ニンニクを効かせた味付けは確かにネパール的でありながら、この肉の質感はフレンチ的。
サンニャクナというネパールの煮凝りも上品で繊細な味付け。
メインのダルバートも素晴らしいですよ。
選べるカレーは炭焼きポークカレーにしたのですが、ダルとカレーはシンプルにネパールらしく。
まわりに並ぶ色とりどりの副菜のバランスがおしゃれであり、大阪スパイスカレー的でもあり、洋食的センスも感じられます。
全体通して言えるのは、ネパールの伝統的な部分は崩さずにリスペクトを捧げた上で、それをどう新しい形に進化させるか考えて作られたものということ。
これは唯一無二のネパール料理です。
豪徳寺に行かないと食べられません。
その為に豪徳寺までわざわざ行く価値のあるお店ができました。
8月からコースもスタートするとのこと。
実に楽しみです。
評価:★★★★☆