カレー日記(INDU)

元町中華街「INDU」やわらかラムドーサ

アーンドラグッティヴァンカヤクラマサラ
横浜の元町。
異国情緒を感じさせる高級感ある街という印象があります。
そんな元町に素敵な南インド料理店があります。
その名はINDU。
南インド料理と言っても大衆的なものではなく、高級な南インド料理のお店です。
オーセンティックな料理から独自に進化させたモダン的料理もあるのですが、どれを食べても感じるのは引き算の美学です。
塩味がかなり控えめなんです。
だからこそ素材の味が引き立つという計算。
元々素材がかなり良いものを使っているので、それを活かす為の最低限の塩。
このような料理を食べ慣れていない方には味が薄いと感じるかもしれません。
しかしよく味わってみてください。
塩味を引き算しているからこそ、普段は気づかない酸味や旨味や苦味、あるいはほのかな甘味など、塩味で消されがちな部分がしっかりと感じられるのです。
インド料理を作る時も塩は恐れずに多めに入れた方が味が決まりやすいと言われることもあります。
それなのに逆を行くというのはよっぽどの知識と技術が無いとできないこと。
素晴らしいです。
食べ終わった後にチャイをいただくと、こちらは何と砂糖なし。
インド人と話すと「チャイは砂糖いっぱい入れないとダメ!」なんてこともよく言われるのですが、ここのチャイに関しては砂糖無しが正解。
その前の料理は塩の引き算だからこそ、最後に砂糖が加わってしまうとバランスが崩れかねません。
だからこそ無糖チャイ。だからこそ料理全体の印象がバランス良く残り、余韻を楽しめるのです。
身体が喜ぶ美味しさ。
ラムドーサは約3000円と、一般的な感覚からすると高く思われるかもしれませんが、この素材の良さと技術、そして丁寧な接客が加わるのですからまったくもって妥当な価格設定であり、それ以上の満足感を得られる素晴らしいお店でした。
評価:★★★★