カレー日記(ベンジー)

神奈川 戸部「Spice Corner Benzie」ダルバート(マトン)、鴨のハクチョエラ
南インドのミールスとネパールのダルバートを週替わりで出しているというお店。
僕が行った日はダルバートでした。
マトンを選んだのですが、カシコマスではなくベラコマスと表記してあるあたり、こだわりを感じました。
ネパールではカシコマスが主流。カシとは山羊を指します。ただネパールだとカシはマトンと言われます。
つまり、羊と山羊がごっちゃになっている部分があるのですが、ネパール語で言うと別物。
山羊はカシで羊はベラなのです。
日本では羊は手に入りやすいものの山羊となるとなかなか入手が難しいので日本のネパール料理店でもカシコマスという表記で羊のカレーを出すところは少なくありません。
それをちゃんとベラコマスと表記する時点で、少なくとも上記の知識がちゃんとある人が作っているということ。
前置きが長くなりましたが、そんなこだわりの日本人シェフが作るダルバート。
これに日替わりのチョエラも合わせて。この日のチョエラは鴨でした。
食べてみて驚愕。
めちゃめちゃ美味しいです。
僕は日常的に大久保エリアのネパール料理店にも行きますし、所謂インネパ店も好きで、ネパール人シェフの作る料理を食べることも多い方だと思うのですが、そんな僕がここ1年くらいで食べたダルバートの中でも1、2を争うくらいに美味しかったのです。
まず濃厚な旨味が凝縮されたダル。
ベラコマスは羊ならではの美味しさがしっかりと引き出され、鴨チョエラもパンチが強すぎずそれでいて主張はちゃんとあるという絶妙の着地点。
副菜もそれぞれ単体で美味しく、混ぜても美味しいという素晴らしさ。
食べてみて思ったのは、オーセンティックなネパール料理を理解し、リスペクトした上で、その中で日本人ならではの感覚でオーセンティックにとらわれすぎないという料理だなということ。
素晴らしいです。
これはミールスも食べてみたいし他の料理も食べてみたい。
戸部駅のすぐ近くですが横浜駅からも徒歩圏内。
ちょっと足を伸ばしてでも行く価値のある、いや、行くべき名店ですよ。
評価:★★★★