カレー日記(ダルメロ)

錦糸町「Dal Mellow」マンゴーライス、パンダナスチキン、栗と生姜のアチャール、バターミルクラッサム

鯖のポリチャットゥ
錦糸町にインド料理をベースとしたスパイス料理とワインのお店ができました。
シェフは他に仕事を持ちながら、基本的に土日の予約制で間借りではなく実店舗をオープンしたという本気度。
いつ休むの?という話なのですが、業界的に休みが不定期だったり自由度が効くということと、それ以上に趣味に対しての本気度がそもそもハイレベルな方なので、インド料理を作るという情熱が高まりまくった結果、お店を開いたということでしょう。
ちなみにシェフとはカレーでは無い趣味の世界で出会った方です。
僕も趣味が仕事となるタイプであり、その僕の仕事の世界にシェフはお客さんとして来ていたと、そういう形。
閑話休題。
コースということで様々な料理が出たのですが、全部書いてしまってはネタバレになってしまうでしょうから特に印象に残ったものを。
まず茄子と納豆のバルタ。
僕はネバネバしたものが苦手でして、納豆は特にネバネバ度が僕の苦手なネバネバ感であり、自ら進んで食べることは決して無いのですが、こちらのお店は店名の通りダルを重要視しており、納豆はある意味でジャパニーズダルであるということで、それは欠かせないというお話だったので食べてみたのですが、これが美味しいんです。
納豆の臭みはスパイスで消えているというのは他でも無くはないことですが、僕は先述したように匂いよりもネバネバとした食感が苦手なタイプ。
こちらの納豆は生で使っているということでどう考えてもネバネバが消えなさそうなのですが、ナッツなどをあしらうことによってそのネバネバをあまり感じずに食べることができたのです。
ちょうど茄子とナッツに納豆が挟まれたいたこともよかったのかもしれません。
アレンジしたものだけでは無くオーセンティックな料理もあります。
鯖のポリチャットゥはシェフが通い、幾度となく料理を習いに行った南インドはケララの名物料理。
酸味と辛味、そして鯖の旨味が調和して実に美味しいです。
これにダルを合わせることによって辛いものが苦手な方でも食べやすくする仕様もまた良し。
メインも面白く、レモンライスならぬマンゴーライスにパンダナスチキンとバターミルクラッサムを合わせ、栗と生姜のアチャールを添えたもの。
ラッサムがバターでミルク?と思ったのですが、ラッサムの味を壊さない範囲でバター感やミルク感もあるという新体験。
どれも基本的にはオーセンティックでありながら、そこに日本人ならではの工夫があり、そして店名にもあるダルを様々な形で楽しめるという構成がとても良かったです。
モダンインディアンとも言える構成ですがモダンインディアンと考えるならコースで5000円しないのは安いです。
あえて夜の営業というのは、カレーが一般的にファストフードとして捉えられていることに対してのアンチテーゼ。
カレーやインド料理はスローフードとしても十分に成り立つということを教えてくれるお店なのです。
評価:★★★★